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性感染症の種類とリスク

性感染症の種類とリスク

主な性感染症は、クラミジアやヘルペス、コンジローマ、淋菌、梅毒、肝炎、トリコモナス、毛ジラミ、HIV/エイズなどです。

〇クラミジア感染症

クラミジア感染症はクラミジア・トラコマティスが原因で、多くの場合は無症状です。感染者とのセックスで性器に感染するほか、オーラルセックスで口・のどにも感染します。女性はおりものが増加する傾向があります。放っておくと、炎症が腟から子宮頚管、卵管、さらに腹腔(おなかの中)に広がり、症状が進むと下腹部痛や性交痛が起きることがあります。

〇性器へルペスウィルス感染症

感染者とのセックスで感染します。感染しても発症しない場合があります。一度感染すると、ウィルスが体内に潜伏して、再発を繰り返すことがあります。症状は感染部分に小さな水疱ができ、水疱が破れるとびらん(ただれ)になります。初感染の場合は、性器に強い痛みやかゆみを起こします。

〇尖圭コンジローマ

悪性腫瘍の原因となる場合があります。 ヒトパピローマウィルスの感染者とのセックスで性器に感染します。 外性器や肛門周辺などに乳頭状のイボができるが、痛みやかゆみはありません。そのままにしておくと、いぼが除々に大きくなりながら数を増し、外陰部から腟に広がります。

〇淋菌感染症は淋菌

淋菌感染症は淋菌が原因です。クラミジア感染症同様、感染者とのセックスで性器に感染するほか、オーラルセックスで口・のどにも感染します。

〇梅毒

感染から3か月までの間は、感染局所に痛みのない小さなしこりができます。 感染から3か月以上3年までの間は、足の付け根のリンパ節が腫れたり、 全身に小豆ほどの大きさの赤い発疹ができます。 感染後3ヶ月で全身に梅毒特有の湿疹が現れます。放っておくと内臓、心臓、血 管、 骨、中枢神経などの全身の器官が侵されることがあります。 感染後20年ぐらいしてから神経梅毒や心血管梅毒を発症することもあります。

〇肝炎

肝炎は様々な種類がありますが、 日本ではB型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスが肝がんを発症する原因の約75%を占めています。 B型肝炎はワクチンがあり予防が出来ますが、C型肝炎のワクチンはありません。 ウイルスが持続感染すると肝炎が慢性化することがあります。 放置してしまうと肝硬変や肝がんなどを発症することがあります。 症状としては、倦怠感、食欲不振、吐き気、色の濃い尿等があります。 全身に黄疸(おうだん)が出るようであれば入院が必要で、尿は更に濃褐色になり、 醤油のような色になります。

〇トリコモナス

トリコモナスと呼ばれる大きさ0.1mmくらいの原虫に感染して膣や膀胱に炎症が起こり、泡状で悪臭の伴うおりもの、膣内が「熱い」と感じる激しいかゆみ、外陰部が赤くただれてヒリヒリする、排尿時に沁みて痛いなどの症状が現れる性病です。膣トリコモナス症は若年層から中高年まで幅広い年齢層に感染者が見られるのが特徴です。